2016.12.21

開業時の立地や患者数を診療圏調査で評価するためのポイント

診療圏調査

クリニックの開業にあたり診療圏調査を行う方は多いと思います。しかし、調査結果の何をもって開業地に適していると判断するべきなのでしょうか。今回は診療圏調査の結果を評価するポイントを紹介します。

そもそも診療圏内に十分な人口はいるか?

診療圏とは開業地からの診療圏に応じた同心円上の範囲のことです。この範囲の中にどれだけ多くの人が住んでいるのか、オフィス街であれば働いているのかを把握することは重要です。いわゆるマーケット規模であり、診療圏内に人が多ければ多いほど来院数が増え、売り上げが上がる可能性があります。

このように診療圏内の人口を把握することで開業地として立地戦略上良いのかを知ることができます。もし、診療圏内の人口が多くなければ他の候補地にする判断材料にもなります。

ターゲットとなる患者層はいるか?(診療圏の質)

開業する専門科のターゲット層についても把握する必要があります。専門科によっては性別や年齢、家族構成などが来院患者数に大きく影響します。

例えば、小児科なら核家族世帯の数、近くに小学校はあるかなどです。内科では高齢者の数、婦人科では10代から50代の女性人口などのターゲットとなる患者層がいるかどうかは判断指標になります。

このように診療圏内の人口がどのような層で構成されているのかは診療圏の質と呼ばれます。診療圏の質によってその開業地がどのような専門科が向いているのか知ることができます。できれば事前に開業地近くを歩いてみてどのような人たちがいるのかを観察することをおすすめします。

クリニックの前の通りの交通量

クリニックの前を行き来する人の数も重要です。一般に人の場合は通行量、車の場合は交通量と区別して考えられます。都心であれば通行量が主でしょうし、郊外であれば反対に交通量の比重が高いでしょう。

人や車の数でわかりやすい指標ですが、日時や天候によって大きく変わるという性質があります。また、年月とともに都市計画が進み、人の流れが全く変わってしまうということも考えられます。

さらに、ここでも診療圏の質が関わってきます。通行量が多いあるいは交通量が多いといっても、どのような層の人たちが多いのかを把握しましょう。

競合するクリニックの数や特徴

診療圏内に他のクリニックがすでに存在している場合はどのようなところなのかチェックすることは必須です。地図情報から名前がわかるところについてはインターネットで検索してホームページないか調べてみましょう。最近では自治体のホームページで地域内の医療機関を紹介していることもあるのでそちらも見てみるといいかもしれません。

また、実際に現地に赴いてみることも大切です。看板や地元情報誌にインターネットでは見つけられなかったクリニックを発見できるかもしれません。特に開設者が高齢の場合はホームページがなく地元の評判でなりたっていることが多いでしょう。さらに、可能であれば近隣の薬局や医療系の卸売業者に聞いてみるのもいいかもしれません。

同じ専門科だけが競合するとは限らない!「他科競合」という考え方

診療圏内に開業予定のものと同じ専門科のクリニックがなかったとしても安心してはいけません。専門科が違っても競合となる可能性があります。

例えば、小児科の場合は耳鼻咽喉科が競合する可能性が十分にあるでしょう。また、女性の泌尿器疾患の場合、婦人科を受診されるケースが多い為、泌尿器科クリニックは婦人科クリニックと競合する可能性があります。整形外科だと、クリニックではなく整骨院や鍼灸院が競合相手となってくることもあります。

また、専門科として掲げているものの他にも実は診ている科が存在している可能性があります。事前に把握できたクリニックについては一度足を運んでみて、どのような人たちが受診しているのか調べるといいかもしれません。

まとめ

診療圏調査の結果を評価するにあたり、その圏内に存在する人口を把握し、どのような人たちで構成されているのかを知るのが第一歩です。これだけでもどのような専門科で開業すればどれくらいの来院者が見込めるのか判断する材料になります。

さらに、開業予定地の通行量や交通量、近隣の競合クリニックを知ることがより正確な来院患者数を知ることにつながります。

もし、提示された診療圏調査の結果がこれらの要点を押さえていなかったり、不十分な印象を受けたりした場合は再調査依頼をするか依頼業者の変更を検討したほうがいいかもしれません。また、場合によっては自分で調査結果を見ながら現地調査をすることも有効です。

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