2016.12.22

資金調達前に最低限知っておきたい金融の基礎知識

クリニックの開業には最低5000万円から1億円の資金調達が必要と言われています。
決して小額とは言えない金額を全額自己資金調達出来ない場合は、金融機関からの借入が必要になります。
金融機関と取引する段階になり慌てないように、開業の資金調達に必要な基礎知識を解説いたします。

開業に必要な資金は設備資金と運転資金

設備資金はテナントの賃借や設備投資にかかる資金

開業に必要な資金は大きく分けて2つあります。

一つは設備資金です。設備資金とはクリニックを開業する土地の購入や、賃借契約、クリニックの内装や医療機器を購入など、主にクリニックの設備を揃えるのに必要な資金です。


運転資金は賃料や人件費など経営後にかかる資金

クリニックの開業前に必要な設備資金に対し、クリニック開業後に必要なのが運転資金です。

運転資金は、テナント賃料や人件費、ご自身の生活費、広告宣伝費などクリニックを運営継続するのに必要な資金です。開業に必要な運転資金は開業規模にもよりますが、開業当初は患者数が少なく、保険診療の入金も2ヶ月のタイムラグあるため、1か月に必要な資金の3倍から6倍とされています。

知っておきたい公的融資と民間融資

公的融資は公的機関が行なっている融資

資金融資には公的融資と民間融資があります。一般的に公的融資の特徴として審査が緩く、利用しやすいことがあげられます。その反面、融資が降りるまで5週間程度かかります。

一方、民間融資は審査が厳しいですが、融資は迅速に受け取る事ができます。

どちらが良いのかは、ケースによります。公的融資は政府系金融機関や信用保証協会など公共団体が行なう融資の事です。民間融資と比べると、融資までの流れは事務的で、紹介者や保証人がなくとも一定の融資を受けることが可能です。

民間融資は都市銀行や信用金庫などが行なっている融資

民間融資は、都市銀行や信用金庫など民間の金融機関が行なっている融資です。

事業用途にあわせて専用のローンプランがあるのも特徴です。担当者の裁量で融資金額が大きく変動しますので、公的機関より多額の融資を受けられることもあります。

設備資金は長期間、運転資金は短期間で借り入れる

設備資金の借入期間は7年から10年を目安に

金額が大きくなりがちな設備資金は長期借入が一般的です。

長期借入には、銀行が貸し倒れリスクを回避するために担保が必要になります。担保は大きく分けて、人的担保(保証人や連帯保証人を設定し、本人が返済不能時の代理支払人をたてること)と物的担保(不動産に対する抵当権の設定、預金、株式など、返済不能時に売却できるものを担保とすること)があります。

運転資金の借入期間は3年から5年を目安に

設備資金に比べ小額な運転資金は、短期借入を原則とします。

短期借入の担保は原則必要ですが、近年急速に無担保融資も多くなっていますので、金融機関に問い合わせることをおすすめします。

変動金利と固定金利の違いと選び方

変動金利のメリットは金利が下がったとき

借り入れには変動金利と固定金利があります。変動金利のメリットは金利が下がったときに、支払い額が減る事です。

昨今はマイナス金利政策を政府が行なっているため、変動金利のメリットが大きいと言われています。

固定金利のメリットは金利が上がったとき

固定金利のメリットは金利が上昇した際に、借入金利が据え置きされるというメリットがあります。

しかし2006年以降、金利下がり続けている影響で、現在のメリットはあまりありません。

返済方法の元利均等と元金均等の選び方

元利均等返済と元金均等返済とは?

返済方法には元利均返済と元金均等返済があります。元利金等返済とは、毎月の返済額を一定にして返済する方法です。元金均等返済とは、元本の返済金額を毎月同じにし、利息を元本返済金額に上乗せして支払う方法です。

開業資金の場合、毎月の支払額を一定にするメリットはほとんどありません。その理由は利息が経費計上できるのに対し、元金は税引後の院長の手取りから支払うため、開業当初は院長の負担が大きくなっています。このことから元金均等返済を選ぶのが一般的です。

初期の返済金額を減額する据え置き期間

元金均等返済は、元本を返済年数で割った金額に利息を加算するため、初期の支払額が最も高くなります。

開業当初は売り上げが読めないことから、高額な初期融資の返済金額を、利息のみの支払いにとどめる、据え置きという形で減額することができます。据え置き期間は一般的に半年から1年程度です。

資金使途の申告は明言を避けるのがコツ

申告使途以外に融資が使われるのを銀行は嫌う

銀行は、融資した資金が使途以外に使われることを極端に嫌います。そのため後々、審査書類に記載した取引先や資金使途が変更になると結果として虚偽申告となり銀行の信頼を損ないます。

これらを踏まえ、融資に使用する申告書類では不確かな部分や取引は記入しない方が賢明と言えます。

まとめ

クリニック開業に必要な設備資金と運転資金の基礎知識は、銀行と実際にやり取りする際に大切になります。
銀行側も初歩的な金融知識のある方と無い方では、対応が異なる場合もありますので、融資の基本的な部分を理解してから、融資の相談に臨みましょう。

  • 2018年度開業基礎講座受付中!
  • 2018年度経営基礎講座受付中!