2016.12.30

新人研修の質はクリニックの魅力を左右する

スタッフ研修

開業の準備に追われて、新人研修はどうしても手を抜きがちになってはいませんか?クリニックで働くすべてのスタッフは、クリニックの「顔」です。患者さんに「このクリニックに通いたい」と思ってもらえる雰囲気作りは、採用直後に行う新人研修から始まっています。

業務内容より前に教えるべき大切なこと

早く業務に慣れてもらいたいという想いから、入社直後から早速業務に取り掛かってもらうこともあるでしょう。しかし、このまま仕事を続けてしまうと、新人さんはクリニックでのお仕事の本質を理解しないまま漠然と働くことになってしまいます。

人は、理由が分からないことを続けることにストレスを感じる生き物です。ただ与えられた仕事をこなすだけの毎日では次第にモチベーションも下がり、早くに辞めてしまうことにもなりかねません。

このような事態を防ぐためにも、以下にご紹介するようなマインドの部分をしっかりと伝え、理解してもらうことが大切です。

  • なぜ院長がこの場所で開業したのか?
  • 院長自身の専門分野は何で、どのような経験をしてきたのか?
  • クリニックの特色は何か?
  • 地域にとってどのようなクリニックにしていきたいと思っているのか?
  • それを実現するために、スタッフには患者様にとってどのような存在であってほしいか?

院長がクリニックのビジョンを明確に伝えることは、入職後のスタッフの取り組み姿勢に大きな影響を及ぼします。はじめの一歩を丁寧に踏み出すことができれば、細かい業務を教えるよりもはるかに強い一体感が生まれ、クリニック全体の仲間意識は自然と強まっていくでしょう。

また、価値観や働き方の足並みをそろえることは、スタッフ間だけでなく患者様へ向けた応対内容の統一にもつながります。新人研修終了後も日々の業務の中で繰り返し共有し、スタッフ全員の心に定着させていきましょう。

新人だけじゃない!新人研修がクリニック全体のレベルをアップする

新人研修は、必ずしも運営者である医師が教える必要はありません。既に信頼できるスタッフがいる場合は、その中から新人教育担当をつくり、新人研修をお願いすると良いでしょう。

新人研修を任されることは、院長から仕事ぶりや人間性を認められた証でもあります。これまでの行いが間違っていなかったという自信につながりますし、今後のモチベーションにもなるでしょう。また、人に教えるということは、内容を自分の言葉でかみ砕いて理解・習得しておく必要があるため、教える側のスタッフの意識やモチベーションをより高めるよい機会でもあるのです。

開業間もない時期は、患者さんにもスタッフにも大切な時間

開業してしばらくの間は、医師もスタッフも新しい環境や業務に慣れるために必死です。特に、開業するまで行ったことがない収支管理や労務管理などの作業、業者や金融機関とのやりとりなどは、慣れるまでかなり時間がかかるでしょう。  

しかし、どんなに忙しい場合でも、患者さんの目につくところをおろそかにしてはいけません。例えば、患者さんが来院したのに事務スタッフが忙しそうに動いていて患者さんへ挨拶するのを忘れてしまったらどうでしょうか。良い印象は残りません。クリニックは清潔というイメージがありますから、医師の白衣や靴が汚いままであれば、「ここは不潔な雰囲気がある」というイメージがついてしまい、行きつけのクリニックからは外れてしまう可能性もあります。  

クリニックは医療業界とはいえ、人と人が関係する「サービス業」です。素敵で清潔なホテルやレストランのように、また行きたいと感じてもらえるよう、患者さんへはおもてなしと感謝の気持ちを持って応対することが大切です。  

まだ混み合わない開業間もない時期は特に、患者さんとしっかり向き合うことができる絶好のチャンスです。スタッフ一丸となって、これからどのようなクリニックを作っていきたいかを固め、クリニック全体のレベルを高めていきましょう。

接遇力をアップさせるための取り組み事例

「会話カルテ」をつくる

 患者さんへの接遇力をアップさせる方法のひとつに、「会話カルテ」の作成があります。応対したスタッフや医師が、患者さんとの会話の中で得た情報を記入するためのものです。

会話カルテがあることによって、患者さんの情報は応対をしなかったスタッフにも共有することが可能になり、クリニックとして一貫性のある応対が取れるようになります。何度も同じことを説明しなければならないクリニックと、一度伝えたらみんなが理解してくれているクリニックの印象とでは、雲泥の差があります。

一流を「学ぶ」より「体験する」

最も早く一流の接遇を身に着けるためには、体験することが一番です。

あるクリニックでは、開院前にスタッフの結束を高めるための親睦会で、一流のホテルへ行きました。近くの居酒屋で気軽に飲むのも良いのですが、ここであえて一流のホテルへ行くことで、スタッフは自然に一流の対応を体験することができますね。親睦会の一番の目的はスタッフとの親睦を深めることですが、その中でホテルの対応について院長自ら話題にすれば、スタッフは院長が求める理想の応対の仕方を説明せずとも理解することができるようになるのです。

食事会へ行く機会が作れないときは、一流のホテルへ電話してみたり、受付で軽く質問したりすれば、気持ちの良い応対と感じる口調やトーンを肌で感じることができます。

まとめ

新人研修でクリニックの方向性や有り方を教えることは、クリニックを上手に軌道に乗せ、長期にわたって売り上げを上げることにもつながります。スタッフと医師が連携し、それぞれが意識を高く持って業務にあたることで、一人でも多くの患者を受け入れる態勢ができていくのです。

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