2017.01.06

医院開業コンサルタントってそもそも何?失敗しない開業コンサル選びのポイント

開業コンサル

クリニックの開業を予定していて、これから開業コンサルタントに依頼するべきかどうか、お悩みの先生方も多いのではないでしょうか?医院の開業は、さまざまな経営判断が伴う非常に難しい選択。後悔しないためにも、開業のパートナーとなるコンサルタントについて、しっかり学んだうえで判断しましょう。今回は、開業コンサルタントとはそもそもどんな人たちで、依頼先をどのように選べばいいのかについてご説明します。

開業コンサルタントって、そもそも何?

開業コンサルタントとは、クリニックの開業をサポートする専門家のことです。開業には、土地や建物選び、建設計画、機器の購入、人事・労務、税務、集患のための広告など、多岐にわたる準備が必要になります。先生一人で、日々の医療業務と並行してそのすべてを行うのは、非常に困難です。そのため、とくに都市部においては、開業準備についてはコンサルタントに依頼するのが一般的になっています。

とはいえ、ひとくちに「開業コンサルタント」といっても、その内実は実にさまざま。医院経営のコンサルティング・サービスそのものを専門に行っている会社もあれば、リース会社や建設会社、医薬品卸会社、医療機器卸会社などがサービスとして無料で開業支援を展開している場合もあります。どのような系列の会社かによって、開業支援の内容、その後の経営はまったく違うものになってきますので、慎重に選ぶことが大切です。

では、具体的にどのような開業コンサルタント会社が存在するのでしょうか?次は、コンサルタントの出身母体の業種別に、その特徴、メリットやデメリットをご説明します。

業種別・開業コンサルタントの特徴

製薬・医薬品卸・医療機器卸系コンサルタント

勤務医時代の付き合いの延長線上で、先生方にとっていちばん気安く頼めるのが、医療系のコンサルタントです。他医療機関の情報を入手しやすい、耳鼻科や眼科などの特定科を専門にしている業者は科特有のノウハウを有している点なども特徴です。

しかしながら、開業支援を専門にする部署の担当者であれば、ある程度の支援を期待できますが、基本的に無償のため、“外れ”の担当者にあたれば手厚い支援は望めません。また、本業の「おまけ」的な要素が強く、「結局、高い機器を買わされた」と嘆くことになる可能性も大いにあります。

さらに、開業した後の経営支援については望めないと考えるほうがよいでしょう。

建築系コンサルタント

設計事務所や不動産会社、ハウスメーカーなどで、医療施設建設に力を入れているところが行うコンサルティングサービスです。建築物というハード面と連動しているためスケジュールが把握しやすいという利点はありますが、欠点は、露骨な言い方をすれば「建てればそれで終わり」という点。2-1で述べた医療系コンサルと同じく、コンサルティングは無償で、あくまで本業の「おまけ」程度と考えたほうがいいでしょう。

設計優先、建物優先となり、採算性については度外視する傾向にあること、開業後の経営支援は望めないことも注意を要します。

会計(税理士)・行政書士・社会保険労務士事務所系コンサルタント

顧問先に医療機関が多く専門特化しているところであれば、一定以上の知識とレベルは有している場合が多いでしょう。経理関係や人事・労務など、先生の知識が浅い分野を一任できるのは魅力です。

ただし、開業後の顧問契約を前提として無償で行うことが一般的で、それぞれに得意分野がありますので、方針やサービス内容についてはしっかりヒアリングしましょう。また、集患(マーケティング)については弱く、あまり期待できないと考えるべきです。

経営(開業)専門コンサルタント

医院開業・経営支援に特化し、コンサルティングサービスそのものを有償で行います。医療機器卸会社などのいわゆる「ひも付」のコンサルティング会社とは違い、コンサルティングサービスそのものに対価を支払うため、手厚い支援を期待できます。

開業後の経営支援まで手がけているか、得意分野や実績、コンサルティングの方針はどのようなものかなど、先生のニーズや考え方に合致しているかを見極めることが大切です。

金融機関系コンサルタント

銀行が直接開業支援に取り組むことはまれですが、リース会社や不動産・商社系のコンサルタントは存在します。リース会社のコンサルタントは、リース契約をして回収ができる状態にしないといけないため、「やりっぱなし」ということは少ないでしょう。

しかし開業経営支援そのものを有償のサービスとして行っているコンサルティング会社と比べると、どうしても手薄になります。

調剤薬局チェーン、医療モール企画運営会社

通常自社の運営物件に入居する開業医に対して、基本的に無償で支援を行います。内装工事や金融機関などもセットで紹介してもらえることが多く、開業後の経営状況は自社の利益にも直結するため、やりっぱなしにはなりにくいというのも利点です。

ただし、開業場所が限定されることはもちろん、無償サービスであるためこちらの要望を通しにくく、先生自身が望む医療が実現できるかどうかは、慎重になる必要があります。

コンサルタント選びのポイント

以上、コンサルタントの出身母体がどのような会社であるかによって、得意な分野やサービス形態が大きく異なることを感じていただけたのではないかと思います。基本的に、覚えておきたいのは、

  • コンサルティングサービスが無償の場合は、医療機器や不動産といった彼らの本業部分で利益を回収されることになるため、それらの額が高額になりがちであること。
  • コンサルティングサービスが無償の場合は、開業経営支援そのものを有償のサービスとして行っているコンサルティング会社と比べると、こちらの要望を通しにくく、また、支援がどうしても手薄になること。

ということです。また、有償のサービスとして行っているコンサルティング会社であっても、特定の医療機器ディーラーや内装工事業者、広告代理店などについて、紹介手数料が発生する業者しか先生に紹介しないなどのコンサルタントも存在します。

十分な知識や経験、ノウハウを有しているか、特定の業者を強引に勧めてくるようなことはないか、どこまで支援してくれるのか、本当にそれだけの能力があるのかを見極めることが大切です。

まとめ

以上、後悔しないコンサルタント選びについて、基本的な事項をまとめました。重要なことは、まずはコンサルティング会社の出身母体の利益構造を把握すること。無償であれば、どこで利益が回収されるのか、ひも付になることで選択肢が限られないか、あるいは必要以上に高額な買い物をすることにならないか注意すること。そして、無償であれ有償であれ、実際に面談の時間を持ち、自分の考えを伝え、コンサルティングサービスの方針やサービスの範囲を必ず確認することです。それらの回答が適切で、かつ、先生のニーズに合致しているかどうかを評価し、慎重に判断するようにしましょう。

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