2016.12.22

保健所の立入検査時のポイント

保健所

クリニック開業前には、保健所の職員による立入検査が行われます。この検査は医療法第25条第1項の実施要項に基づいて行われ、クリニックの構造などのハード面と、運営体制や危機管理体制などのソフト面の両方からチェックされることになります。

これはもちろんのことですが、クリニックを開業するためには、立入検査が滞りなく行われる必要があります。改善すべき事項が見つかればその場で注意されるだけでなく「指摘事項」として扱われ、改善する必要も出てくるので、ある程度緊張感を持って準備をしておきましょう。

保健所の立入検査当日の流れ

保健所職員による立入検査は、予め相談して調整された日程に行われます。職員は1~数名で来院し、クリニック全体を回りながら設備やチェックすべき事項をひとつずつ見て回ります。一通りのチェックが終了した後は、保健所職員から指摘事項についての説明を受けて終了です。指摘事項が多い場合は、口頭だけでなく後日書面で送られ、改善が要求・定時される場合もあります。検査自体は、1時間もあれば終了するでしょう。

立入検査でチェックされるポイント

院内掲示

クリニックでは、院内の見やすい場所に以下のものを掲示しておく必要があります。

  • 管理者名、医師の氏名
  • 診療日時
  • 各部屋の用途の表示(診察室、処置室、レントゲン室、など)
  • 個人情報の管理体制を明示したもの
      (個人情報の取り扱いについては、患者の症状などの情報だけでなく、医師や医療従事者、患者すべての個人情報における管理体制が整っていることが大切です。)

必要文書の管理状況

立入検査では、ハード面だけでなく、重要書類の管理体制などもチェック項目に入ります。特に以下の書類は確認されるものですので、きちんと保管し、見せてと言われた場合にすぐに見せられるようにしておきましょう。

  • 診療所開設届
  • 各種装置の備付届(X線装置など)
  • 医療に関わる安全管理や院内感染対策の指針に関する文書
  • 医薬品の安全な使用法に関する文書
  • 医療従事者の本人確認書類のコピー

また、開設時にはないものではありますが、今後増えていく書類で保管する必要があるものを以下にご紹介いたします。立入検査は、クリニック開設時だけでなく開院後も行われる可能性があります。検査の頻度は地方自治体の定めによっても違いがありますが、定期的に行われるものと考え、重要書類は時系列にしてきれいに保管しておくことをおすすめします。


  • カルテ(診療日より最低5年は保管しておく)や電子カルテデータ
  • 各種検査記録(X線装置の定期測定記録など)
  • 処方箋の控え
  • 職員の健康診断書
  • 職員の職員研修記録書類
    (医療従事者は、医療法施行規則に基づいた安全研修を定期的に行う必要があります。これらを行った証拠として、研修の記録を保管しておきましょう。)

医薬品の管理体制

クリニックでは、医療従事者でなければ使用してはならない薬品などをきちんと保管する義務があります。医薬品の保管規制に従い、以下のものを適切な保管方法で管理しましょう。

保管方法
麻薬 鍵付きの麻薬専用金庫に保管し、麻薬帳で常に在庫状況が分かるようにする。
毒劇物 毒劇物以外の医薬品とは別の鍵付き保管庫に保存する。
向精神薬 鍵付き保管庫に保存する。
冷所保存品 飲食物とは別の専用冷蔵庫に保存する。温度計を常設しておくとよい。

危機管理体制

クリニック内には、スプリンクラーの設置あるいは適当数の消火器を設置が義務付けられています。スプリンクラーがない場合は、規定にもとづいた数の消火器を置く必要があります。設置数はクリニックの施設の広さや耐火構造であるかどうかによっても変わりますので、専門家に確認してみるとよいでしょう。


広告物の有無

原則として、医療機関は広告を打つことが禁止されています。広告を出したい場合は、医療広告ガイドラインまたは医療法第6条に記載された範囲内であるかどうかがチェックされます。

まとめ

このように、クリニックの立入検査では様々な面からチェックされることになります。特に書類の不備などでは指摘されやすい傾向にありますので、ひとつひとつ丁寧に確認しておくことが大切です。開院時点できちんとした態勢を整えておけば、今後立入検査があっても比較的楽に対応できるようになります。まずははじめの一歩が大事です。開院時にいやな思いをしないためにも、丁寧な対応を心がけましょう。

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