2016.12.23

クリニック開業に際し知っておきたい、医師会入会のタイミングとメリット・デメリット

医師会

クリニック開業の際に関わりがあるのは、地域ごとに設置された地区医師会です。地区医師会の上に都道府県医師会、日本医師会があります。
医師の場合、弁護士などとは異なり、医師会に所属していなくても開業することができます。
また、入会していなければ医師として仕事を行えないわけではないので、勤務医では医師会に入会している医師は6~7割程度しかいないと言われています。
東京で開業する場合は医師会に入会しない場合も多いようですが、地方の場合にはほとんどの開業医が入会しています。
医師会入会は任意ですが、医師会に所属するとメリットもあります。
ここでは開業する場合の医師会入会のタイミングと、会に所属するメリット・デメリットについてご紹介します。

ローカルルールに従おう!医師会への挨拶は開業決定前に

医師会に入会する場合でも、特に挨拶や許可が必要ではないこともあるようですが、地方の地区医師会の入会には、地域ごとに書類上の手続き意外のルールが存在します。 入会する意思があっても、医師会に挨拶に行くより先に開業してしまうと、入会しないと見なされてしまう場合もあると言います。

開業地を決めたら、建物を建てたり契約をする前に、まずは地区医師会に電話で問い合わせをしましょう。 その際に医師会長や新規会員担当役員を紹介してもらい、入会手続きをする前に挨拶に行くようにしましょう。

挨拶から会費納入まで……医師会入会の流れ

開業候補地を決めたら、正式に開業を決定する前に開業予定地の地区医師会に入会する意思を伝えます。 この段階で関係役員への挨拶を済ませ、事務責任者から書類を受け取ります。

また、医師会だけでなく、周辺の医療機関にも挨拶に行っておくようにしましょう。地域医療を担うには、近隣の開業医とコミュニケーションを取る必要があります。ただでさえ競合相手が増えるので、近隣医にも事前に挨拶を済ませ、関係を良好に保つことをおすすめします。 可能であれば、近隣の自治会や学校、介護施設・福祉施設、保健所などにも挨拶に行くと良いでしょう。

入会が済んだら、会費を納入します。開業医の場合は院長ですので、A会員となります。 地区医師会・都道府県医師会・日本医師会のそれぞれに加入費用がかかり、金額は地区により異なります。

必ずしも都心部の方が金額が高いというものではないようです。 会費の目安としては100万円から500万円程度で、開業後の収入が少ない時期に支払うことになるので、医師会の会費分も開業資金として用意しておくことをおすすめします。 開業場所を選ぶ際に地区医師会の加入費用についても調査するようにしましょう。

医師会会員は仕事の幅が広がる半面、診療以外の業務を請け負うことも

医師会に入会するメリットとしては、健診や予防接種など市で費用を助成する事業の委託を受けられる点が挙げられます。無料健診や予防接種でクリニックを訪れたことがきっかけで、行きつけの医療機関として選んでもらえることもあります。

さらに、校医も医師会の会員が優先的に指定されます。

また、医師会では近隣の開業医や病院の勤務医など、医師との親睦を深める機会が多く設けられているため、地域医療機関と顔の見える連携ができることも医師会入会のメリットと言えます。近隣の医師とのトラブルを避けるために医師会に入会する場合も多いようです。

なお、医師会の会費には日本医師会の医師賠償責任保険の保険料が含まれています。これは、医師会員の医療事故により紛争が起きた場合に、賠償と紛争の解決を日本医師会・都道府県医師会・保険会社の3者がバックアップする制度です。賠償責任保険の場合には、医師会に入らなくても民間の保険会社などで同様の商品があります。

他に、医療関係の情報を入手しやすい点も医師会入会のメリットと言えるでしょう。

反対に、デメリットとしては休日当番医を請け負う必要があること、医師会の会費の負担が大きいことなどが挙げられます。 医師会に入会すると、輪番制で当番医が回ってきます。これが面倒で入会しないという医師もいます。また、負担するのは診療だけでなく、医師会内の仕事を頼まれることもあります。介護保険の審査や市民公開講座の委員などを請け負うと、診療時間内に会議に出席する必要性なども出てきます。医師が1人で診療を行っているクリニックの場合、会議の日は休診にしなければならないので、直接収入に響くのが難点です。

さらに、医師会の関連団体に日本医師連盟という政治団体があり、選挙が近づくと選挙活動への協力を求められることがあります。

まとめ

医師会への入会は任意ですが、場合によっては入会を余儀なくされることもあるでしょう。
その際は、挨拶と入会のタイミングを間違えないようにしましょう。

手続き以外の決まり事は煩わしく思えますが、医師会に入会することで開業後地域のドクターとの関係が良好になることや、地域住民との接点を得られることは大きな意義ではないでしょうか。

自身のクリニックでは医師会への入会が必要がどうか、地域の事情を事前に調べ、得られるメリットとデメリットを鑑みて決定するようにしましょう。

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