2016.12.23

クリニックの立地を決める競合調査の重要性とポイント 

競合調査

昔から「商売は立地が命」といわれますがクリニックも同じです。診療の強みを生かしたクリニックを競合の少ない地域で開業する事は集患の基本です。また効率的な集患のためには、周辺の競合調査が欠かせません。感覚や思い込みの立地選びで失敗しないためにも競合調査の重要性とポイントをお伝えしたいと思います。

目指すは戦わずに勝てる立地!開業場所は強い競合クリニックのないところを選ぶ

競合クリニックとは、自分と診療科が同じクリニックのこと

新規開業の前に行なわなければいけないのが競合調査です。

競合クリニックとは、ご自身が開業を予定されているクリニックと同じ診療科を持つクリニックを言います。

例えばご自身が呼吸器科の専門医でも、診療内容をおおまかに内科とすれば開業予定エリアすべての内科をもつクリニックが競合クリニックとなります。

患者は行きつけクリニックを簡単に変えない現実

競合調査を行い、クリニックの開業立地を決定する際には、強い競合クリニックを避けて開業する事が望ましいです。 競合クリニックが開業地域で信頼されており、多数の患者を抱えているような強いクリニックの場合、同じ地域に開業しても集患がほとんど見込めません。  

その理由は、一般的な店舗とは異なりクリニックで患者が重要視するのは医師と自分の信頼関係です。クリニックと患者の信頼関係は、長い時間とお金をかけて構築されますので、患者は一度信頼したクリニックを簡単には乗り換えません。

クリニックの評判は口コミで広がるため、競合が強いと邪魔をする。

クリニックと患者を結びつけているのは信頼関係ですので、強い競合クリニックがあるエリアに開業した場合、ほぼ確実に競合クリニックと比較されます。  

特に住宅街など地域住民同士のつながりが密接になりがちな地域での開業は、既存クリニックが支持されることが予想され、重要な宣伝源である口コミが広がらないという問題点があります。 そのため開業前に競合調査をしっかり行い、地元住民の信頼が厚かったり、有名だったりといった、強い競合クリニックを避けて開業地域を選ぶ事が重要になります。

開業成功の近道は狭い診療圏で一番になること

競合クリニックと診療を差別化するには強みを見つける

開業地域に他のクリニックがある場合、ご自身のクリニックの強みをアピールすることが大切です。

クリニックの強みを決める際は、自分の得意なもの、高品質なもの、売れるものを患者目線で把握します。 この3点を認識して売り出して行く事で、他のクリニックと差別化が行なわれ、ご自身のクリニックに独自のポジションを持たせ、安定した経営を行なう事が可能になります。

これから発展する可能性のある新線を選ぶと成功の確率は上がる

クリニックの強みを決めた後に、立地を考える場合、有名な駅前や高給住宅街など知名度のある場所は、競合が強い事が多く、今後も多数のクリニック開業が予想されます。そのため、エリア選択に自由がある場合は、新線をおすすめします。    

新線とは、新しく開通した電車の駅の事です。都内ですと、副都心線や大江戸線があげられます。  

これらの駅は知名度が低くいが利便性の高い場所にあるため、今後の発展が望めます。また居住者や労働者も30代から40代の若手が多いため、マーケットの存続が期待できます。また、前述したように古くからある競合クリニックが存在しないため、地域初の診療所となることも可能です。

基本方針が決まったら地域で独自のポジションを築くことが大切

競合調査とマーケティングを経て、クリニックの基本方針が決まった後は、診療圏で独自のポジションを確立する事を目指し、診療を行ないましょう。  

すでに競合調査で強い競合地域を排除してあることから、クリニックの強みをアピールするだけで集患行なえます。集患が行なわれると、診療圏に信頼されるクリニックへの成長が期待できます。  

競合調査を行い、診療圏を設定しても、開業当初のクリニックは診療圏に認知されていないため、集患が難しいのです。  

独自のポジションを築くには、クリニックを診療圏に認知してもらうことが重要です。そのためには開業前にまとまった広告費を確保し、広告を通じてクリニックの認知を行なう事が不可欠です。

診療の強みを把握し地域一番になった例

強みの打ち出し方について、参考例を挙げて紹介します。

<クリニックの強みを変更して集患に成功した例>

1.基本情報

院長:消化器内科の医師
奥さん:皮膚科  

2人でクリニックを開業予定

2.クリニックの看板診療内容

見込み患者数の多い、院長の専門分野である内科・消化器内科、および上部の内視鏡検査。

*奥さんは皮膚科専門医ですが、病院勤務を平行して続けているため、クリニックには週に2日しか入らないので、皮膚科をアピールする予定は、なかった

3.強みを変更した経緯
  • 周辺クリニックを調査したところ、消化器内科を標榜するクリニックは4院あり、内視鏡検査を実施しているところは2院あった。
  • そのうち1院は開業予定地から200mほどの場所にあり上部内視鏡検査だけでなく、下部内視鏡検査も実施しており、日帰りポリープ切除も行っていた。
  • その一方、肝臓専門医を打ち出しているクリニックは、3駅隣まで存在しなかった。
  • 皮膚科についても、診療圏3km内に専門医はなく、診療圏の患者は皮膚科の専門的な治療を求める場合、隣駅まで受診しにいっていた。
4.変更後の強み

当初の消化器内科と内視鏡検査だけをPRするのではなく、肝臓内科専門治療、皮膚科外来(女性医師)を実施している旨を大きくPRするよう方向転換した。  

その結果、消化器内科だけでなく、遠方から肝臓内科の患者が来院し、副院長の皮膚科外来にも多くの患者が来院するようになった。

まとめ

クリニック開業には、開業予定地周辺の競合調査が不可欠です。開業後に周辺に強い競合クリニックが存在しているとわかった場合、競争と経営の安定と言う二つの課題を同時に抱える事になり、辛い思いをしてしまいます。

 クリニックの開業予定地が決まった後は、患者視点でクリニックの強みを打ち出します。この際、専門資格や専門分野にとらわれず、診療圏の競合を調査し、効果的なアピールを行ないましょう。
 集患が軌道に乗った後は、診療圏で独自のポジションを築く事を目指しましょう。大切な事は最初に決めた診療の強みを開業後に変更しないことです。
 
 診療圏で一定のポジションと評価を確立した後は、軸がぶれないように当初のコンセプトを貫いた診療を行ないましょう。一度開業してしまったクリニックは移転する事が大変困難です。後悔しないように準備と事前調査は念入りに行ないましょう。

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