2017.05.07

38歳で年収1500万円の勤務医の場合 60歳時の金融資産が約4000万円になる理由

doctor

勤務医の先生の年収が38歳で1500万円だった場合、退職が想定される60歳時にいくらの金融資産が残せるのか?
勤務医の場合、開業医のように60歳以降の雇用が保証されているわけではありませんので、老後の資金は自身で準備しておく必要があり、いくら準備しておけるかはとても重要な問題です。今回は事例をもとに年収1500万円の勤務医がいくら残せるかを検証していきたいと思います。

自分の手取り額はいくら?意外と知らない確定申告書の読み方

確定申告が必要な勤務医でも、確定申告書の読み方は意外と知らないものです。

まず確定申告書の項目で「収入金額等」に記されている金額が先生の年収であり いわゆる“額面”の収入です。そこから、確定申告書で計算された「所得税」が引かれることになります。

しかし、先生の年収から引かれるのは所得税だけではありません。 これとは別に住民税(課税所得の10%)と社会保険(健康保険、厚生年金等)が毎月引かれており、それらを差し引いた額が先生の手取り額となります。

年収1500万円の場合、手取り額は約1080万円

勤務医で、年収1500万円もらっていても、実際の手取り額とは異なります。

例えば、年収1500万円で子供二人の場合、 社会保険料(健康保険・厚生年金等)で年間約145万円程度、 所得税と住民税で約275万円程度となります。

合計で420万円程年収から引かれるため、手取り額としては約1080万円程度です。 つまり年収の約30%ほど差し引かれた額が先生の手取りとなります。

手取り額から私生活の支出を引くといくら預金できる?

手取りが額1080万円から、

  • 生活費 40万円/月(年間480万円)
    (食費・水道光熱費・管理費/駐車場/固定資産税・図書費/通信費・被服費・交際費)
  • 住宅費 20万円/月(年間240万円)
    (6000万円のマンション(30年ローン)の場合、年間240万円程。)
  • 子供の教育費 年間100万円(2人)
    (公立の中高の進学。塾代等含む)
  • 旅行などの趣味・余暇費 年間60万円

上記を差し引くと、年間の支出額は約880万円となります。手取りの1080万円から880万円の支出を引くと、年間の預金額は約200万円です。 この預金の積み重ねが、退職後の老後資金となります。

仮に退職まであと20年あるとすると、200万円×20年で約4000万円貯蓄できるという計算になります。

年収が1500万円から2000万円に増加すると、手取りは約1,520万円に。年間で預金できる額はいくら増える?

年齢とともに役職が上がり、年収が1500万円から2000万円まで増加すれば、手取りが額は約1520万円程度に増加します。 一方、支出で増えるのはこどもの教育費です。先ほどの例で長男が大学に進学すれば

  • 子供の教育費 年間300万円
    (長男:私立大学費用100万円、仕送り200万円/次男:公立高校+塾代60万円)

上記を差し引くと、年間の支出額は約1080万円となります。

手取りの1520万円から1080万円の支出を引くと、年間の預金額は約440万円です。 仮に退職まであと20年あるとすると、440万円×20年で約8800万円貯蓄できるという計算になります。

住宅費・子供の教育費・親の介護費・老後資金…この先50年で想定される大きな支出はいくら?

勤務医の先生の今後50年間で想定される支出です。

私生活における支出として、大きなものは

  • 住宅費(現在の住宅のローン返済や家の買替え費用など)
  • こどもの教育費(予備校や塾代、大学の入学金や授業料、仕送り費など)※私立医学部に進学するとなると6年間で仕送り費も含め4000~5000万円程度

この他、

  • 先生自身の趣味(家族旅行・車など)にかかる費用
  • 親の介護費用など(老人ホームに入居で月30万円、年間360万円程度)
  • 老後の準備資金

これらのことを想定しておく必要があります。

退職後、老後の必要資金は1億円以上

上記の支出を引いた上で、60歳時に残った金融資産が老後の資金となります。

勤務医の場合、開業医と違い退職後の雇用は保証されていませんので、 ご自身で老後資金を蓄えておく必要があります。 ではこの老後資金はどの程度必要なのでしょうか。 先生が引退後に求める生活レベルや何歳まで生きるかにもよりますが、 仮に60歳から90歳まで30年として計算すると次の通りになります。

事例で検証!年収1500万円の勤務医の生涯金融資産シミュレーション

では、年収1500万円の勤務医の事例をもとに、60歳時に残せる金融資産のシミュレーションを行ってみたいと思います。


38歳で年収1500万円のままいった場合、60歳時に残る金融資産は約4,000万円

上記の前提条件で、院長先生の年収が38歳から60歳まで1500万円でいった場合、どうなるかをシミュレーションしたのがAのプランです。

このプランでいった場合、60歳時に残る金融資産は約4000万円となります。 これは、60歳時に退職金2000万円を含めた額となります。 また、60歳時点で住宅ローンは658万円残っています。

開業医の場合どうなる?1日の患者数50人の開業医の生涯金融資産シミュレーション

先ほどと、ほぼ同じ条件の場合、患者数50人を診ている開業医は60歳時にいくらの金融資産を残すことができるのでしょうか。

1日患者数50人診る開業医の場合、60歳時に残る金融資産は約2億2000万円

上記の前提条件で、院長先生の年収が38歳から60歳まで患者数1日50人でいった場合、どうなるかをシミュレーションしたプランです。 このプランでいった場合、60歳時に残る金融資産は約2億2000万円となります。 開業医の場合、勤務医とは違い、クリニックの運営費として

  • 内装のリフォーム費用
  • 医療機器の買替費用
  • 院長の車の買替え

※上記合計4500万円の支出(すべて経費となる) が発生していますが、それを差し引いても、生涯年収は勤務医の約5.5倍となります。

まとめ

いかがでしたでしょうか。実際は勤務医の先生の状況は一人ひとり異なりますが、ある程度年収に上限がある中で人生設計を組み立てていく必要があります。一方、開業医の場合リスクを背負うものの経営次第で年収に上限はありません。1日50人の患者が来院するクリニックであれば、60歳時に残せる金融資産は年収1500万円の勤務医の約5倍になります。
医師が開業する平均年齢は約41歳と言われていますが、一度ご自身の人生設計を考えた上で開業を検討されてみてはいかがでしょうか。

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