2017.01.18

奥様に給与を支払える!?知って得する「専従者控除制度」

専従者給与

個人経営のクリニックの場合、経営がうまくいき所得が増えると納税額もかなりの高額になります。そのため、生計を一つにしている奥様を専従者と見なし、給与を支払うことで節税を行う開業医が多いのです。
しかし、奥様に支払う給与額は、奥様が行う仕事内容と見合っていなければなりません。
ここでは、節税のために是非覚えておきたい「専従者控除制度」と、適正な専従者給与額について詳しくご紹介します。

家族に支払い経費になる!「専従者給与」とは

「専従者給与」とは、「専従者控除」という制度により認められている、個人事業主が家族に支払うことができる給与のことです。一定の手続きと条件を満たした青色申告の個人事業主であれば、年間に数百万円の給与を経費として計上できます。 クリニックを経営する開業医の多くは青色申告を行うため、奥様に専従者給与として支払える額が大きく、その分計上できる経費も増えます。

日本では累進課税制度が採られており、所得が多いほど納税額も大きいので、奥様への給与を必要経費として計上することで所得が減り、その分税金を減らすことができます。

専従者の条件は3つ

給与を支払うことができる専従者の条件は3つあります。

1つ目は、個人事業主と生計を一つにしている配偶者や親、祖父母、子どもであること。

2つ目は、その年の12月31日現在で年齢が15歳以上であること。

3つ目は、1年間に半年以上その事業に従事すること。

給与を支払いたいのは奥様ですので、これらの条件は満たしています。 専従者に給与を支払い、税金の控除を受けるためには、白色申告の場合手続きは不要ですが、青色申告の場合には「事業専従者給与に関する届出書」を税務署に提出する必要があります。

青色申告と白色申告では給与にできる額が異なる

専従者給与の上限額は、白色申告と青色申告では異なります。

白色申告の場合には給与には上限額が設けられており、次の場合の少ない金額を選択します。

A……配偶者:86万円・配偶者以外:50万円

B……事業所得を専従者の数に1を加えた数で割った額
例)事業所得150万円で、妻が専従員の場合→150万円÷(1+1=2)=75万円

この例ではBの金額の方が少ないため、給与支払い限度額は年間75万円となります。

青色申告の場合は届出書に限度額を記載して提出すれば特に限度額はありません。届出書に記載する金額が上限額となるため、支払い額がそれ以下であっても問題はありません。 給与支払い日の変更や届出の記載額以上の給与を支払う場合には、変更届出書の提出が必要ですので注意してください。

給与額の増減は奥様の仕事内容が決め手

開業後に奥様にクリニックの仕事を手伝ってもらい、給与を支払う場合には、奥様に支払う額が適正であるという証拠が必要です。 もし奥様が看護師や薬剤師の有資格者で、資格を用いて仕事を行った場合には、通常の事務を行う場合よりも給与が高くても適正と認められます。 また、特別な資格がない場合でも、銀行との打ち合わせや経営セミナーなどに奥様が参加している証拠を残すことで、事務長としての役割を果たしているとみなされ、通常の事務よりも高額の給与が認められます。

では、実際にはどのくらいの給与を支払うことができるかというと、青色専従者として奥様に給与を支払う場合には、開業医の場合は年間に400万円から600万円を支払うことが多いようです。

給与額を設定する際は、基本的には外部からスタッフを雇う場合の金額が基準になります。 仕事内容により支払う給与は異なり、受付スタッフとして働いてもらう場合には年間に300万円から400万円くらいの給与を支払うのが妥当です。奥様が経理や人事も行っている場合には、500万円程度の給与でも妥当でしょう。 さらに、奥様が看護師として働いている場合には600万円でも適正とみなされ、奥様もドクターとして2人で診療を行っている場合には1000万円以上支払っても問題はありません。

過分に支払うと追徴税が発生

専従者給与を多く支払うことで節税になるとは言っても、奥様に仕事内容以上の給与を支払った場合、過分とみなされた分は経費と認められないことがあります。 経費に認められなかった分は院長の所得とみなされるため、追徴税が発生します。さらに、奥様には贈与税がかかってしまうこともあるので注意しましょう。

 

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まとめ

奥様に専従者給与を支払うデメリットとしては、38万円の配偶者控除を受けられないという点があります。
しかし、所得に合わせて専従者給与額を増減することで節税になるため、奥様に給与を支払うことで配偶者控除を受けられない以上に大きなメリットになります。
なお、専従者給与を奥様に支払う場合には、税務署の税務調査対策を考慮し、奥様の勤務実態の記録を残すようにするのがおすすめです。
奥様には奥様の持つスキルに合わせてクリニックの仕事を請け負ってもらい、それに見合った給与を支払うことで上手に節税を行いましょう。

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