2017.01.31

大切なのは院長目線でのチェック!就業規則でひな形を使うことの危険性

就業規則

新規開業をし、新たにクリニックを運営していく上で、就業規則はクリニックのルールブックとなります
それは、クリニックの目標や方向性、規律などそのクリニックの院長が大切にしていることを従業員に伝えるものです。
ここでは、就業規則をつくる際に、モデルとなる既存のひな形を使う場合の危険性について解説します。

就業規則をつくる上でのよくある落とし穴

常時10人以上の従業員を雇用する場合には、就業規則を定めて労働基準監督署に届け出ることが義務付けられています。 就業規則では、労働条件や規律等の就業上のルールを定めます。 本来であれば、院長の考える、そのクリニック独自の就業規則を一から考えてつくりあげることがベストです。

しかし実際は、どう手をつけていいのかわからない、就業規則に関する書籍を読んでもどこがどう違うのかわからない、馴染みのない内容で難しくて理解できない、と行き詰まってしまうことが多いのではないでしょうか? また、自身で作成した内容に不備があり、労働基準監督署に注意を受けたり指導が入ることになったらどうしよう…と不安を抱えることもあるでしょう。

そんな時に、ついついやってしまいがちなのが、ひな形を使うということです。 いまやネットでも、無料で手に入る就業規則のモデル等が散見されます。 また、不備のない確実な線を行こうと、労働基準監督署が提供しているひな形に手を出す人も多くみられます。

一見、これらはスタンダードな就業規則をつくるのに的確な方法のように思えますが、実はこれが大きな落とし穴となるのです。

なぜ就業規則のひな形をそのまま使うことが危険なのか?

まず、インターネットで入手できるようなモデル就業規則ですが、これを使えば確かに手軽な上、費用もほとんどかからず非常にリーズナブルです。

しかしよく考えてください。就業規則は労使間での労働条件を規定する重要な契約書となります。一度成立してしまうと、これを変更することは容易ではありません。 インターネットで手に入るモデル就業規則は、必ずしも法律を熟知した人が作成しているとは限りません。法律に照らし合わせたとき、本当にそこに書かれていることが正しいのかどうかの保障がないのです。場合によっては、そのひな形を使ったことで、就業規則が法律違反となってしまう可能性さえあります。 入手したひな形に自分でアレンジを加えてしまうことも危険です。 法律で決められている箇所にまで、自分で手を加えてしまったり修正してしまう恐れがあるからです。

また、モデル就業規則の内容を精査せずにそのまま使うと、経営者自身にとって不利な内容が盛り込まれてしまう可能性があります。 その際に考えられるモデル就業規則のデメリットを下記に示します。

クリニックの実情が一切反映されない

モデル就業規則では、あくまでも一般的に使えるものとして作成されているので、個々のクリニックの実情は全く反映されません。

クリニックを守ってくれない

モデル就業規則は、労働基準法に準拠してつくられたものです。 そのため、労働者を保護するという立場からの内容となっており、クリニックを守るという視点での内容にはなっていません。

最新の労務リスクに対応できていない

従業員の精神疾患やセクハラ、パワハラ等、近年問題となっているような事項には対応していないことが多いです。

規定が最小限で役に立たない

モデル就業規則では、労働基準法をクリアできる程度の必要最小限の規定しか書かれていません。そのため、トラブルになった時に就業規則を元に解決ということができません。


この他にも、先述した労働基準監督署の提供するひな形では、労働基準法の内容が形式を変えて書かれているだけであり、労働者に非常に手厚い規定となっています。 これでは、万が一従業員とのトラブルになった際は、経営者側に勝ち目はないでしょう。

就業規則のひな形をそのまま使って失敗した事例

実際にモデル就業規則をそのまま使ってしまったゆえに起こった事例を紹介します。

パートやアルバイトにまで、退職金や賞与を支払わなくてはいけなくなった

一般的には、退職金や賞与は正社員のみに支払うものですが、モデル就業規則によく目を通さずにそのまま使ってしまった結果、予定していなかったパートやアルバイト従業員にまで退職金や賞与を支払わなければいけなくなってしまいました。

特に仕事をするわけでもなく、いつまでも居残りをしている従業員に残業代を支払わなくてはならない

賃金の発生する時間の規定をしっかりと定めておくことが必要でしょう。

病気療養の従業員に、大企業並みの休職期間を与えることとなる

大企業では可能でも、個人経営のクリニックにおいては難しいでしょう。


これらは、モデル就業規則をそのまま使用したことによる失敗のごく一部にすぎません。 これだけでも、モデル就業規則が危険であるということがお分かりいただけるかと思います。

 

参考:勉強会セミナー

開業を成功させる一番のポイントは、事業主となる先生が経営者として成長することにあります。経営者としての考え方、視点、判断の方法を学ぶための勉強会です。

>クリニック開業基礎講座

>クリニック継承基礎講座

>スタッフ採用・育成基礎講座

>広告・集患基礎講座

>開業医の為の将来設計講座

まとめ

いかがでしたか?
就業規則の作成は非常に難しく煩雑であることから、ついついインターネット上でも手に入りやすいモデル就業規則を使ってしまいたくなります。
しかし、就業規則はそのクリニックの、そして経営者の目指す方向性や規律を伝える大切なルールブックです。
安易にひな形を使って失敗してしまうということがないよう十分注意しましょう。

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