2017.03.08

【クリニック経費】マイカー通勤をするスタッフへの妥当な通勤手当とは?

マイカー通勤

スタッフの雇用に際しては、給与や社会保険諸々と併せて、通勤手当についても考える必要があります。クリニックを開業する場所によっては、スタッフの多くがマイカーでの通勤となる場合もあるでしょう。
ここでは、マイカー通勤するスタッフへの、妥当な通勤手当額の考え方を紹介します。

マイカー通勤の妥当な通勤手当の算出方法

通勤手当は、法律で「これだけの額を支払わなければならない」という決まりはありません。

事業主の判断で支給基準や限度額を定めることができます。 ただし、注意しておきたいのは、ある上限を超えると所得税の対象となってしまうということです。この上限の金額を非課税限度額と言います。 マイカーなどで通勤している人の1ヶ月あたりの非課税限度額は、片道の通勤距離(通勤経路に沿った長さ)に応じ、以下のように定められています。

片道の通勤距離 1か月当たりの限度額
2キロメートル未満 (全額課税)
2キロメートル以上10キロメートル未満 4,200円
10キロメートル以上15キロメートル未満 7,100円
15キロメートル以上25キロメートル未満 12,900円
25キロメートル以上35キロメートル未満 18,700円
35キロメートル以上45キロメートル未満 24,400円
45キロメートル以上55キロメートル未満 28,000円
55キロメートル以上 31,600円

国税庁HPより(http://www.nta.go.jp/taxanswer/gensen/2585.htm)

非課税限度額を超えて通勤手当を支給する場合には、超えた部分の金額が給与分として課税され、所得税及び復興特別所得税の源泉徴収を受けます。

続いて、マイカー通勤の際の基本的な交通費算出の目安について解説します。 一般的なマイカー通勤者の通勤手当は 「往復通勤距離×所定勤務日数×ガソリン単価÷燃費基準値」 という算式を用いて計算することが多いでしょう。

燃費基準値については、国土交通省の出している平成28年度の燃費基準値を参考にすると良いでしょう。

http://www.mlit.go.jp/common/001125048.pdf
ガソリン乗用自動車(車両重量703~827kg)の燃費基準値は18.8km/Lです。

例えば、通勤距離往復10km、1ヶ月の勤務日数20日、ガソリン120円/L、燃費基準値18.8km/Lの場合、先述した算式に当てはめると

10km×22日×120円/L÷18.8km/L=1404円
となります。

ただし、注意が必要なのは、車種によって燃費がかなり変わってくるということです。 ハイブリット車とそうでない車種とでは、燃費に大きな差が出てくることがあります。 それぞれの車種に応じた燃費を個別に計算したり、普通車・軽自動車・ハイブリット車の3区分にわけて各々の区分の燃費を定めて計算したりするなどの工夫も必要となるでしょう。

いずれにしても、通勤手当を支給する際には、支給限度額や最低限の規定等は定めておいたほうが良いでしょう。 支給基準があいまいであったり、規定がなにもない場合、いくつかのトラブルが予想されます。

想定外の高額な通勤手当の発生

採用当初、職場の近くに住んでいたスタッフが、途中で遠方に引越した場合に高額な通勤手当が発生してしまうことがあります。 これは雇用主にとっては要諦外の大きな負担となってしまします。 あらかじめ通勤手当の上限額を定めておくと、このような事態を回避することができるでしょう。

給与計算や源泉所得税の納税額の間違い

通勤手当の上限を決めず、非課税限度額以上の支給をする場合の注意点です。 非課税限度額を超えた支給をした際、間違えて本来課税すべき分を全て非課税で支給してしまう恐れがあります。

マイカー通勤時の万一の事故

リスクとして最も大きなものが事故です。 マイカー通勤を認める場合には、事前に任意保険への加入状況をしっかり確認しておく必要があります。

スタッフにマイカー通勤を許可する前に誓約書を書いてもらう

福利厚生として、スタッフのマイカー通勤手当を支給する場合には、事前に必要な申請書を提出してもらう必要があります。

通勤途中のトラブルは、基本的にはスタッフ本人の責任です。 しかし、通勤手当を支給している場合や、クリニックの駐車場を貸している場合には、状況によっては雇用主が自動車損害賠償保障法第3条による運行供用者責任に問われる可能性もあります。

マイカー通勤を許可する時には、

  • スタッフの運転免許証が有効か
  • 事故の際の賠償責任を負える任意保険に加入しているか

の2点を必ず確認しましょう。
マイカー通勤の希望があれば、スタッフの加入している任意保険や運転免許証の写しを添付したうえで、申請書を提出してもらうようにしましょう。 また、マイカー通勤に伴うトラブル防止のために、誓約書も併せて提出してもらいましょう。 飲酒運転を絶対にしない、交通違反の罰則を受けた際には速やかに院長に報告する、免許停止になった場合はその間公共交通機関で通勤する等の内容を盛り込むことが一般的です。

 

関連する当社サービス

>「医院経営について改めてプロに学びたい」医師のための勉強会

>「患者数を伸ばしたい」「今後のクリニック経営の方針を相談したい」経営支援

>「採用がうまくいかない」「理想の組織に近づきたい」スタッフ採用・教育支援

>「もっと節税したい」「医療に詳しい税理士に切り替えたい」税務会計支援

 

参考:勉強会セミナー

開業を成功させる一番のポイントは、事業主となる先生が経営者として成長することにあります。経営者としての考え方、視点、判断の方法を学ぶための勉強会です。

>クリニック開業基礎講座

>クリニック継承基礎講座

>スタッフ採用・育成基礎講座

>広告・集患基礎講座

>開業医の為の将来設計講座

まとめ

いかがでしたか?
開業する地域によっては、マイカーでの通勤がほとんどというケースも考えられます。
マイカー通勤の際の通勤手当を支給するには、手当の額をどのように算出するか、上限をどうするかについてよく検討する必要があります。
また、マイカー通勤によるトラブルを回避するためにも、事前に誓約書の提出等をしてもらうようにすることも重要ですね。

  • 2018年度開業基礎講座受付中!
  • 2018年度経営基礎講座受付中!