2017.01.15

スタッフ採用時に必要な書類まとめ

採用書類手続き

クリニックを開業するにあたり、避けては通れないスタッフの採用。しかし、ほとんどの先生が人を雇用するのは初めての経験かと思います。求人や面接はなんとなく進めることができるにしても、いざ雇用するとなった場合のスタッフとの契約書や、スタッフに教えてもらわなければならない情報など不明点は多くあるのではないでしょうか。
この記事では、スタッフ採用後、どのような書類の準備が必要かまとめてみました。

採用者には書面と口頭で条件を提示する

電話で入職の意思が確認でき、晴れて採用することが決定したら、諸条件の確認に入りましょう。

入職前に確認しておくべき事項は、書面で確認する必要があるものと、口頭のみでの確認で問題ないものの2種類があります。

書面で明示する事項

以下の5項目は、労働条件の中でも特に重要と考えられているものです。雇用側と雇用される側の間に齟齬が発生しないようにするためにも、労働基準法第16条によって書面の交付が義務付けられています。

  1. 労働契約期間
  2. 就業場所、お願いする業務内容
  3. 勤務時間(始業・終業時刻)、残業の有無、休憩時間、休日・休暇、交代制の勤務体制がある場合のローテーションの内容
  4. 賃金、計算・支払いの方法、締日・支払い時期
  5. 退職に関する事項(解雇の事由を含む)

書面での明示が必要な内容に関しては、労働条件通知書や雇用契約書として交付しましょう。フォーマットがない場合は、厚生労働省のページから労働条件通知書のフォーマットがダウンロードできます。

【厚生労働省 主要様式ダウンロードコーナー】

http://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/roudoujouken01/

口頭で明示していい事項

労働基準法で定められていない事項に関しては、口頭での明示でも問題はありませんが、口頭でのやりとりでは”証拠が残らない”という点はしっかり承知しておく必要があります。こちらが口頭で伝えてあった内容だとしても、スタッフから「初めて聞いた」「聞いた内容と違う」と言われてしまえば、運営側としては手の打ちようがありません。無用なトラブルを避けるためにも、用意できるものは書面で用意しておくことをおすすめします。  

雇用時に伝えるべき内容で、口頭伝言でも問題ない事項は、以下の9つです。

  1. 昇給の有無
  2. 退職手当の有無や適用範囲、退職手当の決定、計算・支払いの方法、支払いの時期に関する事項
  3. 臨時賃金や賞与の有無や適用範囲
  4. 労働者に負担される食費、作業用品その他について
  5. 安全・衛生に関する事項
  6. 職業訓練に関する事項
  7. 災害補償、業務外の疾病扶助に関する事項
  8. 表彰、制裁に関する事項
  9. 休職に関する事項
※パートタイム契約者を雇う場合

パートタイム勤務の方を雇用する場合は、①~③の事項については口頭のみではなく書面で提示する必要があります。これは、2008年から施行されたパートタイム労働法によって、パートタイム者への昇給、ボーナス、退職手当の有無を明示することが義務付けられたからです。ただし、これらの手当をパートタイムの人にもつけなければならないという意味ではありません。何の手当もない場合は、「なし」と記載して書面にすれば大丈夫です。

提出してもらう書類

採用が決定した後は、採用側が提出や口頭で重要事項を伝える他、入職者に必要書類を提出してもらう必要があります。

雇用保険被保険者証、年金手帳

入職者が雇用保険の加入対象である場合で、前職で雇用保険に加入していた場合は、雇用保険被保険者証を提出してもらいましょう。雇用保険は、被保険者一人一人に与えられた被保険者番号で管理されています。この番号で改めて雇用保険の手続きをすることで、入職者の雇用保険期間が通算されるようになります。 また、健康保険・厚生年金保険に加入する場合は、年金手帳に記載された基礎年金番号を提示してもらう必要があります。

源泉徴収票、扶養控除等申告書

源泉徴収票は、入職者が同一年内に前職を辞めていた場合に提出してもらいましょう。毎年末は、雇用側がスタッフの年末調整を行うため、同じ年に別の職場で働いていた場合は、その額も含めて計算しなければならないからです。  

扶養控除等申告書も、同じ理由で提出してもらう必要があります。他にも勤務先がある場合を除いては、扶養家族の有無に関わらず、提出してもらった方が良いでしょう。

住民票記載事項証明書の写し

住民票記載事項証明書は、住民票に記載されている内容の中で、雇用側が必要としている情報のみが記載された書類です。この書類は、社会保険などの各種手続きをする上で、正確な氏名や年齢、住所等を確認するために必要です。(履歴書は正式な書類ではないので、虚偽の記載があった場合に問題となる場合があります。)証明書としては住民票でも問題ないような気もしますが、住民票には本籍などの余計な個人情報も記載されているため、個人情報の管理が大変になってしまうので避けた方が無難です。  

入職者に住民票記載事項証明書の提出を求めた場合、入職者が済んでいる市区町村によってフォーマットが異なる場合があります。揃えたい場合は、クリニック側で作成したものを使用してもらいましょう。各種フォーマットは、自分で作成しても良いですし、インターネット上のサイトから無料でダウンロードすることも可能です。

(例:https://www.hofu.link/products/myphp2.php?no1=1&no2=18&pg=1)。

看護師資格や運転免許など、資格を証明できる書類の写し

仕事をする上で資格が必要な職務の場合は、資格証明書の提出も必須です。資格がないのに資格が必要な職務に就いたことが発覚した場合は、運営側の責任も問われます。提出してもらったら、必ずコピーをして保管しておきましょう。

身元保証書、誓約書

身元保証書は、入職者がトラブルを起こした時に活躍する書類です。身元保証書があれば、クリニック側が入職者に対して損害賠償を請求したい時、入職者に賠償する資力がなくても、身元保証人となった人に賠償請求ができます。身元保証契約の期間は、通常3年と定められています。もしそれ以上の契約をしたい場合は、最大で5年です。

トラブルに巻き込まれるのを防ぐもう一つの書類に、誓約書があります。誓約書は、入職後に守ってもらう内容を記載したもので、それに準じて働くことを約束してもらうための書類です。誓約書に法律的な拘束力はないものの、誓約書を書いたことで、精神的に「守らなければならない」気持ちがより強く働き、ルール違反を抑制することにつながります。

健康診断書(3ケ月以内のもの)

雇用者は、入職者の健康診断を受けさせることが労働基準法第66条によって義務付けられています。ただし、入職までの3ケ月以内に健康診断を受けていた場合は、診断書を提出することによって省略できます。

 

参考:勉強会セミナー

開業を成功させる一番のポイントは、事業主となる先生が経営者として成長することにあります。経営者としての考え方、視点、判断の方法を学ぶための勉強会です。

>クリニック開業基礎講座

>クリニック継承基礎講座

>スタッフ採用・育成基礎講座

>広告・集患基礎講座

>開業医の為の将来設計講座

まとめ

採用時に必要な書類は、労働基準法などで義務付けられているものの他にも、社会保険の手続きや、クリニックを守るために必要な書類があります。書類のやりとりは手間なので省く事業者も中にはいますが、トラブルを避けるためも必要なことです。

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