2017.03.06

ここに注目!開業時広告を出す際に考えておきたい費用対効果のこと

費用対効果

開業し、これからどんどん患者数を伸ばしたいとなった場合に考えるのが広告です。しかし、いざ広告を打つとなると、どのような広告を打っていくのがいいのか悩みます。そこで、広告の費用対効果について、検証のための手法や運用の仕方などについてまとめてみます。

クリニックで出している広告は効果が出ていますか?

どの医院でも何らかの広告を出しているものです。しかし、広告というものは、ただ出しているだけでは意味がありません。期待している効果がきちんと出ているのかどうか、定期的に検証し、広告の内容や方法を見直す必要があります。これを広告の費用対効果(コストパフォーマンス)といいます。

検証した結果、コストをかけているのに望む効果が出ていないと分かれば、その広告を止めて違う広告に投資したり、広告内容やデザインを変えるなどの施策を取ることができます。検証と見直しを行わないと、広告の目的である集患ができないまま、無駄なお金を払い続けることになってしまいます。もしかしたら、集患効果がより高くコストが低い手段が見つかるかもしれません。広告は出してからの運用が非常に重要なのです。

簡単!問診票を活用した費用対効果検証方法

初診問診票を活用する

広告の費用対効果を測るには、いくつか方法があります。特に新規開業の場合は、どんな媒体を経由して新患が来院したのかをチェックするのがポイントです。 何を見て、どんなきっかけで来院したのかを知る一番よい方法は、初診問診票のアンケートを活用することです。

初回は症状の問診と同時に「ご来院のきっかけは何ですか」というアンケートを行うのが一般的ですが、これを最大限に活用します。コツは、忘れずに記入してもらえるよう問診表の最初の項目にしたり、枠で囲んだりして目立たせることと、より詳しく来院経路を知ることができるよう複数回答可にすることです。

この結果をスタッフが毎日集計し、月々の広告の費用対効果をデータ化して蓄積して、広告の費用対効果分析のベースにします。具体的には、集計シートを作成して受付に置き、新患来院があったらその都度記入して、診療時間終了後に一日の集計を行います。

アンケートの作り方

来院履歴として設定することが多いのは、次のようなものです。

  • 家族や知人の紹介(紹介者名)
  • 看板を見て(看板、電柱、その他)
  • 前を通りかかって
  • 当院ホームページを見て
  • 他院からの紹介(他院名)
  • 情報誌を見て(フリーペーパーなど)
  • 当院ブログを見て

行っている広告を詳しく書き出して、記入を面倒だと思わせないよう丸で囲むだけにしておくと記入率が上がります。

分析のポイント

分析する際には、まずは単純な利益率を出します。分析する際には、まず自院での新患一人が年間でもたらす利益を計算します。

計算方法は、

平均診療単価×利益率×年間の来院回数です。

例えば、内科で、平均診療単価が5800円、粗利益率90%のクリニックであった場合、1回の診療で出る利益は5800円×90%=5220円となります。

また、一人の患者様の来院回数が年間平均で3回あるとすれば、

5220円×3回=15660円

つまり、一人の新患が1年間にもたらす利益は15660円ということになります。

仮にホームページを見て来院した新患数が月に10人いたとします。
計算方法としては、
15660円×10人=156,600円、
年間では156,600円×12か月=1,879,200円、

つまりホームページは年間で約188万円の費用対効果があると考えることができます。

上記の平均診療単価や原価率、来院回数などのデータは医院経営上非常に重要な数字となりますので、税理士に必ず出してもらうことをおススメいたします。

一方、コストの割にはあまり集患効果が高くないという広告も見つけることができますが、集計した問診票を分析する際には一つ注意点があります。それは、アンケート結果が正しいデータにならないこともあるということです。

たとえば、駅に看板を出していて患者がその看板を見ていたとしても、その後クリニックのHPを見てから来院していたら「HPを見て」という答えを書く場合があります。

駅の看板がクリニックに関心を持つ最初のきっかけになっていたにもかかわらず、最終的に来院を決めたのがHPであれば、「駅看板を見て」ではなく「HPを見て」になってしまうことがあるのです。

複数チェック可としていれば両方にチェックをしてくれるかもしれませんが、面倒だと感じれば最後の決め手となったHPしかチェックしない可能性が出てきます。 ここでのポイントは、「駅看板を見て」ではなく「HPを見て」が多いからといって、駅看板をやめてしまうのは早計だということです。

駅看板を掲出後、「ホームページ」や「医院の前をとおりかかって」といった患者数が伸びていないかどうかもチェックのポイントです。

ある整形外科では、交差点に野立て看板を掲出以降、「医院の前を通りかかって」というきっかけで来院される患者数が1.5倍になった事例もあります。 そういった変化も見落とさないよう注意が必要です。効果測定する際には、駅看板を出した後に全体の新患数が伸びているかどうかというチェックを合わせて行うとよいでしょう。

広告の費用対効果を考える上で必ず知っておきたい新患一人がもたらす利益の考え方

広告の費用対効果を考える際には、単純に新患数の増減だけでなく、新患一人がもたらすトータルの利益という観点も忘れないでください。

新患がそのまま医院に定着し、その後も通院してくれた場合の利益まで全体として考えるのが費用対効果を測る際のポイントになります。 新患一人がもたらす利益というのは、一回の診療だけでもたらされるものではありません。新患が定着して、継続的に通ってくれればその度に利益が上がります。

そして、継続的に通うようになった患者は、その医院を良いと思い治療に満足しているから通っているわけですから、家族や友人に紹介してくれる確率が高くなります。このような好循環が続けば、利益はどんどん何倍にもなっていきます。

ですから、「この広告から今月は新患が3人しか来ていない」という単純な視点で費用対効果を考えないようにしましょう。先ほどの事例で考えれば、一人の新患が年間でもたらす利益は15,660円ですが、これは定着いただければ、2年目、3年目も同様に利益がでていきます。さらにご家族を2人ご紹介いただければ、その方がもたらす利益は、 15,660円×3人=46,980円と非常に大きくなります。 新患の定着率や紹介率なども考慮して、費用対効果を検証する必要があるということです。

 

参考:勉強会セミナー

開業を成功させる一番のポイントは、事業主となる先生が経営者として成長することにあります。経営者としての考え方、視点、判断の方法を学ぶための勉強会です。

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まとめ

集患できる広告を打つためには、広告の費用対効果についてきちんと理解し、定期的にチェックを行うことが大事です。その際のポイントとしては、データを定期的に集計する仕組みを作ることと、データ分析の際には複合的な視点で数値を評価するということです。きちんとデータを取って分析し、改善を繰り返していけば、広告の費用対効果は必ず上がっていきます。日頃の地道な努力が集患には大切です。

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