院長先生の年収は患者数で決まる

開業医の年収は、少しの患者数の違いで劇的に変わります

開業医の年収は1日の平均患者数が数人変わるだけで、劇的に変化します。自分の医院の場合、1日の患者数が何人増えれば年収はどれだけ変わるかを知っておくだけで、目標とする患者数がより明確に設定できます。

 

患者数の違いでどの程度年収が変わるのか?
以下で検証していきましょう。

1日の患者数が5人増えるだけで開業医の手取り額は年間約340万円UPします

下図は、平均的な内科の経営数値をもとにして算出した手取り年収の試算表です。
クリニックの収益は、患者様ひとりひとりからの診療報酬で成り立っているので、1日に何人診察するのかで、年収が決まります。(※手取り:事業所得から税金を引いた額)

患者数別 手取り額の違い

■ 平均的な内科の年収予測表
平均的な内科クリニックの経営数値をもとに算出平均診療単価5,800円

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ではなぜ、患者数が少し増えるだけで、年収がこれだけ変わるのでしょうか?

クリニックの場合、患者ひとりを診療するのに
原価がほとんどかからないため、利益も大きく変わります。

内科の場合、平均診療単価は5,800円程度といわれています。
つまり1回の診療で約5,200円の利益がでます

内科の場合、平均的な診療単価は約5,800円です。このうち10%が原価としてかかるため、利益として残るのは約5,200円ということになります。

では内科で1日5人患者が増えると年収はどれだけ変わるでしょうか?以下で具体的に検証していきます。

もし1日平均患者数が40人から45人に増えれば、1日の利益は26,000円増える計算になります。

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1日の平均患者数が5人増えれば年収は約720万円増加します。

1日平均患者数が5人増えれば、1日で増える利益は26,000円です。しかしこれが1ヶ月、1年と積み重なると、年間で利益は約720万円も増加します。

仮にここから最高税率(50%)で税金を引かれたとしても、手取り額は335万円も増加します。1日患者数が5人増えるだけで家計にもゆとりがでます。

競合医院も少なく、院長の体力がある開業3年以内に、
できるだけ多くの患者数を診ることが重要です。

開業から10年目以降患者数も手取り額も減る傾向にあります。

下記のグラフは日本医師会総合政策機構が2008年に発表したデータですが、開業10年目をピークに、年収が減っていくことがわかります。今の患者数が1日40人だからといって、それがずっと続くわけではありません。近くに競合するクリニックが開院したり、院長先生の体力的な問題で、現実には患者数は減っていきます。

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理由01 クリニックの数は年々増加しています

厚生労働省「医療施設動態調査」によれば、平成22年時の一般診療所改行数は4,623件で、廃業件数は
4,068件となっており、564件純増しています。この傾向は現在も続いておりますので、クリニックの競争はどんどん厳しくなっています。

理由02 院長先生が1日に診ることができる患者数は年齢と共に減ってしまいます

院長先生も年齢を重ねるにつれ、1日に診ることができる患者数はどうしても少しずつ減ってきてしまいます。開業仕立てで体力がある40台は1日60人、70人診ることができます。しかし、同じペースで診療し続けることは現実的ではありません。50歳、55歳、60歳では徐々に診られる患者数は減っていきます。

集患対策は開業1~3年目が特に重要です。

医院の集患対策は地域に全く認知されていない1~3年目が最も重要です。
1年目に開院チラシや看板、ホームページなど、医院を知ってもらうための対策ができていれば、2年目以降は患者様が定着し、自然と口コミが広がっていきます。

しかし、1年目で地域に十分認知されていなければ、2年目以降も患者がなかなか伸びていきません。

競合医院も少なく、院長の体力がある開業3年以内に、できるだけ多くの患者数を診ることが重要です

現在、クリニックの数は純増しており、どんどん増えていっています。あなたの医院の近くにいつ競合ができても不思議ではありません。重要なのは、先生の体力に余裕がある間に、できるだけ多くの患者様との関係を築いておくことです。

具体例で検証

患者数40人のA内科クリニックがそのままいくと20年後、お金は手元にいくら残る?

開業医の場合、勤務医と同じ収入があったとしても開業時に借入をしていることが多く、勤務医より生活は厳しくなります。そうした開業医ならではの出費もふまえて、平均的な内科開業医の10年後をシミュレーションいたします。

A内科クリニックの年間の収支

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患者数40人のA内科クリニックの場合

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患者数40人のA内科クリニックの場合、医院の利益から税金を引かれた後のお金が、プライベートの生活費となります。

しかし、ここから日々の生活費や開業ローン、住宅ローンなどの支出を差し引くと貯蓄出来る金額は毎月約52万円、年間で約626万円になります。

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手取り額1,750万円すべてを自由に使えるわけではない

手取り額が1,750万円あったとしても、そのお金すべてを自由に使えるわけではありません。

開業医の場合であれば、ここから開業ローンや住宅ローン、生活費や子供の教育費、保険・年金を支払っていくことになります。これらを支払って残ったお金が実際に自由に使えるお金となりますので、貯蓄できる額はそれほど多くありません。

A内科の場合、開業から10年間の収支は4,370万円の赤字になります。

開業してからの10年間は、開業ローンの返済だけでなく、プライベートでも「住宅の買い替え」「お子様の教育費(大学進学費)」などがかかってきます。
A内科クリニックの場合、後継者の教育投資を考えると開業からの10年間は4,370万円の赤字となります。

以下、具体的な数字で検証していきましょう。

開業から10年間で手取りは合計で2億2,000万円になります。

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しかし実際ここから開業ローンや保険など引かれるため、10年間の収支は4,370万円の赤字となります。

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開業から10年間は4,370万円の赤字になります

開業してからの10年間は、開業ローンの返済だけでなく、プライベートでも「住宅の買い替え」「お子様の教育費(大学進学費)」などがかかってきます。患者数40人、年間の手取り1,750万円だと開業から10年間は支出が上回り、4,370万円の赤字となってしまいます。

開業11年目から引退予定までの14年間の収支を含めると、引退時の貯蓄額は4,504万円となります。

開業11年目から引退までの期間に貯蓄できるお金は8,874万円となります。

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こから開業10年間の赤字4,370万円を含めると引退時の貯蓄額は4,504万円となります。

開業11年目から引退までの14年間で貯蓄できる金額は、合計8,874万円となります。そこから開業から10年間でできた赤字4,370万円を除くと、引退時に残せる老後資金はわずか4,504万円となります。

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もし、患者数40人のまま、24年後の引退までいくと老後資金が6,272万円

開業医の先生は一般的に、お金があり余裕がある生活を送っているようなイメージを持たれがちですが、実際はそうではありません。勤務医とほぼ同じか少し多いくらいの年収であっても、開業時に多額の借入をしている開業医の方が、家計は厳しく、またリスクも高いといえます。

開業医の先生が少しでもゆとりのある生活を送るためには患者数を増やすしかありません。

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