医院開業・経営の秘訣ブログ

2016年10月08日(土)

開業検討中の勤務医は知っておきたい!1日に必要な外来患者数の考え方

全国のクリニックの平均患者数は約”44人”

開業を検討中の勤務医の先生にとって、開業した場合、1日何人の患者数を診ればいいのか?というのは非常に重要なテーマかと思います。厚生労働省の「社会医療診療行為別調査」(平成23年)によれば、全国のクリニックにおける外来患者数は延べ9360万人/月だそうです。

一方で、全国のクリニックの数は約9万9500件ですので、単純に計算すれば1クリニック当たりの外来患者数は940人/月となります。仮に木曜と土曜の午後と日・祝日を休診にしているクリニックであれば、月の診療日数はおおよそ21.5日(半日は0.5日と計算)となります。このクリニックの場合、1日の外来患者数は940人÷21.5日=約44人となります。

1日の平均患者数は44人は年収で約2000万円

この1日の平均患者数44人を年収にするとどの程度になるでしょうか。もちろん診療科やクリニックの規模によって変動してきますが、ここでは下記のような平均的な内科クリニックの条件で考えてみます。

  • 診療科目:内科
  • 院外処方(変動費率10%)
  • 患者1人当たりの平均診療単価:5800円
  • 家賃:50万円/月
  • 人件費:1300万円/年
  • 専従者給与(奥様への給与):500万円/年

このような条件のクリニックの場合、クリニックの売上は約6600万円、利益は約2000万円となります。

また、奥様の給与を含めるとご夫婦の年収は約2500万円となります。
さらにここから税金(所得税・住民税)を引いた手取り額はご夫婦で合わせて約1850万円程度になることがわかります。
あくまでこれは平均的な患者数で計算した平均的な内科クリニックの事例ですが、おおよその目安になるかと思います。
ではクリニックで目指すべき患者数は、この平均値を上回っていればいいのでしょうか?

1日に必要な患者数は、 先生のプライベートに必要な費用から逆算して考える

逆算

経験上、目標患者数については多くの先生が明確な答えを持っておらず、感覚的に設定しておられるケースをよく見かけます。例えば、「上手くいっている先輩のクリニックでは1日60人くらい患者さんがきていたから、当院も60人は来るようにしたい」「患者さま一人ひとりしっかり診ていきたいため1日40人くらいのペースでみていきたい」といったものです。

たしかに、先生の理想の医療を実現する上では、1日80人より50人の方がいいかもしれません。しかし、その患者数で、将来予定している設備投資や内装のリフォーム、車の買換え、さらにはお子様の教育資金や住宅の買換えといった支出が可能かどうか?という視点を持つことも必要です。

開業医に退職金はありません。年金も勤務医に比べて少なくなります。その中で必要な老後資金は準備できるでしょうか?開業医には定年はありませんが、仮に65歳で引退されて90歳まで25年あると想定します。

月50万円、年600万円の生活をしようと考えれば1億5,000万円は必要です。何歳まで診療を続けれれる予定かによりますが、引退後の老後資金は想像以上にお金が必要になってきます。

さらに、開業医の場合は、医療機器の買い替えや、クリニックの内装リフォームなど、クリニック経営を維持していくための費用も準備し、捻出していく必要ががあります。それとは別にお子様の教育資金や住宅の購入などご自身の理想の私生活を送るために必要な費用を想定し、準備が必要です。目標患者数というのは本来、そこから逆算して決める必要があるのです。

まとめ

クリニックの目標患者数は、院長一人ひとりの”理想”によって大きく変わってきます。「一般的にこれくらい」と目標患者数を設定するのではなく、理想の私生活を実現するための経営という視点から、医院経営、患者数を考える姿勢が大切です。

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