医院開業・経営の秘訣ブログ

2016年09月06日(火)

スタッフの採用は、開業日の何ヶ月前から始めるべき?

スタッフの採用は、クリニックの経営を左右する重大な要素です。しかし、これまで雇われる側にいた先生方の多くは職員採用の経験がなく、手順や留意点など多くの点で戸惑われることと思います。
本編では、より良い結果を得るための採用スケジュールについて、わかりやすくご説明いたします。

欲しいスタッフによって募集時期は違う

医療業界全体が人材不足の中、どのクリニックも優秀なスタッフを確保しようと懸命になっています。スタッフの中でも有資格者である看護師など、キーマンの採用は、事務スタッフの採用よりも時間をかけて行う必要があります。スタッフによって募集時期が異なることを念頭に置いておきましょう。

キーマン(有資格者)の採用

開業時には未完成なクリニックを共に創っていくキーマンとなるのは、やはり有資格者である看護師であるといえます。

オープニングスタッフとして、大学病院など以前の勤務先で一緒に働いていた看護師を積極的に雇いたがるドクターがよく見受けられます。昨今の看護師不足を考えると、その気持ちもよく理解できます。“初めて会う看護師よりも、気心が知れているから”“ずっと一緒だったので技量がよくわかっている”などという点が採用のポイントなのでしょうが、実は、そのような“ 気心の知れた一緒に働いていた関係”であったことが、かえって災いして、両者の間に不和が生じることがよくあります。

看護師の頭の中には、医師がまだ大学病院で勤めていた頃の「愛想がよく感じのいい先生」という印象が強く残っているかもしれませんが、院長となり経営者となった場合には、そのような印象が変化する場合があります。そうすると、看護師は「先生は開業して意地悪になってしまった!」とむくれて、院長に対して強い不満や反感を抱くことになってしまうのです。

こうした弊害が十分に起こり得ることから、単に気心が知れているという理由だけで、熟慮せず安易に雇ってしまうことは禁物です。本来であれば、たとえ昔馴染みであっても一般求職者と同じ日に求人面接を受けてもらい、同席している面接官の意見も参考にしながら、冷静に「採用すべきか否か」を判断するべきです。

しかし、採用したいと思っている看護師が、内視鏡の取り扱いに精通しており準備から洗浄まで迅速に完璧にできる、あるいは、臨床検査技師がマンモグラフィーの取り扱いを熟知しており安心して任せられるなど、高度の専門的能力を有しており、しかも他に該当者がおらず、是非とも採用したい人材であるような場合ならば、話は別です。

このような高いレベルの有資格者はそうそう簡単には見つからないでしょうから、むしろ、給与面を高く設定したり、福利厚生面を手厚くしたりといった特別待遇で迎えるべきでしょう。

内視鏡やマンモグイラフィの扱いなど、特殊な技能を必要とする看護師を募集する場合は、他のスタッフよりも時間をかけて募集する必要があります。

通常スタッフの採用

一方、通常スタッフの採用の一般的なスケジュールは下記の通りです。

キーマンの採用に比べて少し遅れてから検討してもよいでしょう。

ただし、クリニックの場合は病院に比べると、スタッフ1人の占める影響力は大きく、たとえ優秀な看護師が揃っていたとしても、受付スタッフたった一人の言動が患者様の満足度を著しく下げることもあります。

何よりも大切なのは、スタッフの採用にあたっては、「どんなクリニックにしたいか」という経営理念に沿って、慎重に決定するということです。

まず考えなくてはならないのが、職種ごとの人数です。診療科目によって異なりますが、内科の診療所の場合であれば、看護師1人、事務スタッフ2人という体制が一般的です。

看護師や事務は正社員のほかにもパートという選択肢もあります。自院にとって、何がベストな雇用体系かを考えて採用を行うことが重要です。

どんなところに求人を出すか

様々な広告媒体

求人の媒体も様々です。どの職種が何人欲しいかなど検討を重ねたうえで広告媒体を決定することが重要です。

自分の医院/クリニックのホームページ

院長先生の診療理念や採用条件など、文字数の制限なく自由に広報することが可能です。最近では採用情報を探すのにインターネットを活用する人も多く、募集効果が非常に高い媒体です。都市部・地方を問わず求人募集の主力になりつつあります。
また、求人広告を見て応募を検討している方はほぼ必ず医院のホームページをチェックしてから応募されます。ホームページで院長の人柄や医院の考え方、特徴など記載することができていれば、自院をよりアピールすることができます。

ハローワーク・求人誌・折込広告

費用も比較的少なめで、手軽です。求人誌やインターネットを活用した求人サイトは都市部に有効です。逆に求人誌に大きく取り上げられない地方の医院は、新聞の折り込み広告や求人広告が有効です。

人材派遣会社

どの地方かにもよりますが、事務職で1,200円~1,800円程度、看護師などの有資格者や経験豊富なスタッフの場合は1,500円~2,500円程度の時給で派遣してもらうことが可能です。また、医院/クリニックの求めるスキルに到達しない場合や合わない場合、違う人に代えてもらうことも可能です。ただし、長期間の雇用を行う場合には割高になるので、新規開業時には不向きです。

人材紹介会社

手数料(年収の3割が相場)が発生しますが、希望条件に合う方が見つかりやすく、書類審査や一次面接に近いことを人材紹介会社が行ってくれるので、採用の手間も省けます。ただし、新規開業の医院/クリニックの場合、ここまで費用をかける必要はないことが多いと思います。

広告媒体・募集時期の失敗による採用ミス実例

スタッフの採用を残して、開業準備をほぼ終えた内科医のZ氏。スタッフの採用にあたっては、募集媒体として、駅構内に設置されているフリーペーパー、有料の求人雑誌、新聞の折り込み広告の3つを候補に挙げて検討しました。この中で、多くの地元住民の目に触れやすい点に着目して、新聞の折り込み広告を利用することにしました。

Z氏のクリニックの診療圏は3つの地区にまたがると想定されていました。地元の人を採用したいと考えていたZ氏は、これらのエリアを広告対象地域に設定。その上で費用面を考慮し、3つの地区の中でも住宅が多く建ち並ぶ1地区に絞り、募集期間を約1週間として広告を出すことにしました。

ところがいざ募集してみると、受付事務は20人の応募があったものの、看護師はゼロという結果に。看護師の採用の難しさはコンサルタントなどから聞いていましたが、まさかここまで期待を裏切られるとは思っていませんでした。

ショックを受けている暇はなく、Z氏はすぐに2回目の求人広告を手配。今度は3地区全てに折り込み広告を入れました。費用は高くなりますが、背に腹は代えられません。幸い、2回目の求人で看護師2人を採用することができ、Z氏は一安心しました。と同時に、スタッフ募集広告の出し方の難しさを思い知りました。

開業費用をできるだけ抑えたいという気持ちは大変分かりますが、予定通りにスタッフを採用できなければ医院の開院もおぼつかなくなります。さらには、開業が近づくにつれ、スタッフが集まらない焦りなどから、採用の基準がどんどん低くなり、最終的に集まったスタッフがクリニックの方針に添ったスタッフでなかったということも有り得ます。

採用の際には、良いスタッフを採用するためにはいつ、どのくらいの数の広告を打つべきかといった点について、先輩開業医や開業に精通したコンサルタントなどに事前に相談しておくべきでしょう。

まとめ

開業するにあたって、優秀なスタッフの採用は必要不可欠なものです。
しかし、いざ募集をかけたとしても応募が少ない、自院の診療にあった応募者からの応募がないというようなこともあります。
優秀なスタッフを採用するためにも、スケジュールには余裕を持ち、確実に採用を行っていきましょう。

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