医院開業・経営の秘訣ブログ

2016年07月18日(月)

開業準備にはどのくらい期間が必要?開業までのスケジュール

FE129
  • クリニックを開業するには、多くのクリアすべき課題がある。
  • 滑り出しを順調に成功させ、多くの患者様にご来院いただくためにも、開業までの準備は余裕を持って進めたい。戸建て開業では約16ヵ月、テナント開業では約12ヵ月は必要。
  • 開業準備に伴い、スケジュールとクリアすべき課題をまとめる必要がある。また、資金調達の時期や現在勤務している病院の退職にも、適切なタイミングがある。

1.スケジューリングでコスト発生時期を明確に

いよいよ開業することが本決まりになったら、まずするのはスケジュールを立てること。まずはいつ開業するかを明確に決め、具体的に開業準備に向けて動き始めましょう。 一般的なクリニックの場合、開業予定時期から逆算すると、以下のようなスケジュールで開業準備を進める必要があります。

  • 開業直前~1ヶ月前
    開設届けの提出、保健医療機関の申請、スタッフの研修、備品の納入、内覧会の実施。
  • 開業1~2ヶ月前
    内装工事完成、医療機器の納入、広告宣伝・集患施策、スタッフの面接・採用。
  • 開業3~2ヶ月前
    内装工事に着手、スタッフの募集、医療機器の決定。
  • 開業3~4ヶ月前
    工事金額の決定·契約、導入する医療機器の検討。
  • 開業4~6ヶ月前
    內裝業者の選定、内装プランの検討。
  • 開業6〜16ヶ月前
    開業場所、物件を選定。資金調達。

スケジュールをしっかり立てることで、多額のコストの発生時期を明確化することができ、いつまでにどの程度、まとまった資金を用意すればよいか予測することができます。

一般的に、戸建て開業では約16ヵ月、テナント開業では約12ヵ月の開業準備期間が必要。テナントの場合、保証金や敷金など物件取得にかかわるコストは、開業の半年ほど前に発生します。その後、設計会社、施工会社への支払いがあり、開業3カ月前くらいには、医療機器や薬品、診療材料、什器・備品などの購入が必要です。広告・印刷費や求人関係の費用の支払いは、開業直前になることが多いです。

したがって、開業の半年ほど前にはまとまった資金を用意できるよう、資金調達を進めるのがよいでしょう。

2.開業までの流れ

クリニックの開業までには、クリアしなければならないハードルが数多くあります。開業すると決意した以上、時間と手間を惜しまずに積極的に開業準備に取り組むことが、今後のクリニックの安定経営において必要不可欠です。開業コンサルティング会社に依頼する場合でも、クリニックのコンセプトや開業地の選定、市場調査など、重要な局面は必ず立ち会い、状況を把握して自分で決断する姿勢を忘れずに。

コンセプトの決定

つぎはここから書き出します。

開業コンサルティング会社など外部の力を借りる場合は、開業の1年前には方針検討会を開き、大まかな擦り合わせを行うのがよいでしょう。クリニックのコンセプトメイキングからともに行ってくれる会社がお勧めです。

コンセプトを決定する時には、「どういう診療をしたいのか」「どういう診療をしたくないのか」を軸にするのがやりやすいでしょう。先生自身の専門分野や、医療に対する思い、やりたいこと・やりたくないことをしっかりと自分に問いかけ、把握したうえで、どんなクリニックを開きたいのか考えてみましょう。これにより、クリニックの強みを打ち出し、他院との差別化につなげることができます。

また開業場所の選定や診療時間の設定などを行う際には、このコンセプトに立ち返ることで、スムーズに行うことができます。  クリニックのコンセプトは、きちんと定めておくことで、先生の開業するクリニックの将来のビジョンを、確実に実現することができます。

例えば、「自分は○○の分野で実績が豊富だから、その高い専門性を活かし、隣の町からでも通ってもらえるクリニックにしたい」「働いている人がなかなかクリニックに通えない問題を何とかしたい。オフィス街の近くにクリニックを開き、診療開始は遅くして夜8時まで診療を行おう」など。

また、「開業後、落ち着いたら訪問診療を行いたい」「開業3年以内に資金に余裕を作り、デイケアを行いたい」というような、開業後のビジョンについても、可能な範囲で確認しておきましょう。訪問診療車の駐車場やデイケアのためのスペースを設計の段階から確保しておくなど、ビジョンの実現に向けて現在やっておいた方がいいことが見えてくるかもしれません。

逆に、コンセプトメイキングにあまり時間を使えなかった場合は、あとで「クリニックの構造をもっとこうすればよかった」という後悔が出たり、せっかく資金を投じて導入した設備が無駄になったり、集患のための戦略が立てにくくなったりと、問題が生じてくる場合が多いようです。

 

開業地の選定と市場調査

コンセプトが決定した段階で、開業場所の絞り込みを行います。開業場所を選ぶ場合には、診療圏調査を行うとよいでしょう。

診療圏調査をすることにより、「競合医院の実態」「地域の人口の分布」「地域の人口の推移」が分かります。クリニックの安定経営を考えれば、単に人口が多い地域を開業場所に選ぶのではなく、競合クリニックの数が少なく、将来的に人口が大幅に減少する可能性がない場所を選ぶのがよいでしょう。

現在、見込みの患者様がどの程度いるか、今後人口分布はどう変化するか予測を立て、クリニックのターゲットとする患者層とマッチしているか考えます。

ある程度開業する地域が決まれば、次に開業形態を選ぶ必要があります。1施設単独の「独立型開業」か、テナントでの「集合型開業」、どちらが診療を実践していく上であっているか考えましょう。

ここでは、先に決めたクリニックのコンセプトに合っているかどうかと、診療科目ごとに違うクリニックの必要面積などを考慮する必要があります

 

資金調達の時期

開業場所の選定が終わると、次は物件を借りる際の入居条件の交渉や、資金調達のための金融機関との借り入れ交渉が始まります。医療機器や什器・備品、広告宣伝などの資金を合わせて調達することを考慮して資金調達を行いましょう。資金調達の計画は事業計画の中に織り込んでおきます。

土地・建物の購入や賃貸契約などについては、意外と様々な調整・交渉・準備が必要となり、時間を取られることが多いです。開業時期が遅れることのないよう、開業場所の絞り込みは早めに着手したほうがよいでしょう。

 

勤務病院の退職時期

独立開業する際に悩むのが、現在の勤務先をやめるタイミングです。勤務先をなかなかやめられないために、開業時期が遅れてしまうケースも意外と多くあるようです。

保険診療を行うために必要な保健医療機関指定申請は、遅くとも開業の1カ月前までに済ませる必要がありますが、保険医の二重登録はできませんから、その時点で前の勤務先を退職しておく必要があります。

無収入の期間をできるだけ少なくすることを考えると、退職は概ね開業の1カ月から2カ月前にするのがよいでしょう。

退職の相談を勤務先に持ち掛けるタイミングとしては、一般的に退職の半年前がベストです。就業規則には「30日以上前に予告すること」と書いてあったとしても、1カ月前まで勤務先に黙っておけば迷惑が掛かります。

お世話になった病院へのマナーとして、後任の決定や引継ぎを、余裕をもって行えるよう、十分な時間をとりましょう。特に勤務先の病院の診療圏内で開業することになる場合は、お互いに患者の紹介・逆紹介の有力な候補先となるため、現在の勤務先とも良い関係を維持しておくことが大切です。

 

3.需要の季節変動を踏まえた開業の落とし穴

クリニックには、診療科目ごとに需要の変動があります。内科ならば、風邪やインフルエンザが流行する秋から冬、耳鼻科は、花粉症の増える春先、皮膚科は、あせもや虫さされが増える梅雨から夏が、一年で最も忙しい時期と言えるでしょう。

では、クリニックの開業時期は、需要の季節変動に合わせたほうが良いのでしょうか。もちろん、需要が発生するタイミングに合わせて開業の告知をすれば、インパクトが大きく、地域における早期の認知度アップも期待できます。また、需要の多い時期に患者様を抱え込むことができれば、開業直後に経営を安定させることができ、経営側の気持ちは軽くなるでしょう。

しかし、クリニックはその後数十年単位でその地域で診療していくのですから、需要期に開業時期を合わせることに、こだわりすぎる必要はありません。ましてや、需要期を見据えて開業スケジュールを前倒しし、開業準備が不十分なまま開業するというようなことは本末転倒です。

それよりは、開業場所や医療機器の選定などに充分に時間をかけ、職員の接遇など院内のサービス体制をきちんと構築し、患者様に満足されるクリニックをオープンさせましょう。

事業の継続性を重視し、地域に長く愛されるクリニックになるよう、長期的な視野を持って適切な開業時期を見極めるようにしたいものです。

4.まとめ

いざ開業準備を始めると、時間はあっという間に過ぎていくものです。理想のクリニックを開業させるためには、開業までに必要な課題を把握して無理のないスケジュールを立て、開業までにクリアすべき課題を1つずつ解決していくことが大切です。
開業をしたいと考えているが、開業時期がまだはっきりと決まらない場合は、時間を見つけて情報収集を行ってみましょう。開業、経営についての情報を集めるため、開業セミナーに参加する、先輩などの開業医を訪問して話を聞いてみる、開業を考えているエリアの下見に行く、などが考えられます。先生によっては、先輩のクリニックでアルバイトを行って開業医の仕事について勉強することもあるようです。

開業・経営のご相談 お問い合わせ
お電話でのお問い合わせ
電話番号
メールでのお問い合わせ
医院開業・経営について問い合わせる

このページのトップへ